無題

『俺、お風呂入ってくるから。』


有川は、私のお腹に黒いロープを巻き付けて、そのロープの反対側を、家の中にある柱に巻き付けました。

『なんで…こんなことするの??』

『逃げだしたら困るから。んじゃ。』


有川は、お風呂に行ってしまった。

固く結んでいて、なかなかほどけない。

それにロープの長さが短く2メートルほどしか動けなかった。


まだテレビは、ついている。
チャンネルを切り替えようとしても、リモコンに手が届かない。


あと少し…。5センチぐらい…。
いろいろな情報をテレビでしりたいあまり、必死で手をのばす。


お願い…届いて…。


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