無題



シャワーが止まる音がした。

私は、急いで元の場所に戻り、疲れたふりをした。


『築島さんも浴びれば…。』

有川は、ハサミで私に巻き付いているロープをきった。

『痛かった…かな?』

有川は、私の赤くなったお腹をみながらいった。


『あっ…大丈夫。』

上半身裸の有川の目のいきどこがなくった。


私は、シャワーをつけて、すぐ座りこんだ。


有川は、ただのドS変態なんだろうか…。
それともただの殺人犯なんだろうか…?


私と有川は、どうしてお母さんを殺したのだろう。

有川の理由…ウザかったから。
私の理由…ウザかったから。

どっちも一緒だ。


でも、本当にウザかったから殺したのか?

本当は、別の理由があって…


『おい!築島さーん。早くきて!助けて…。』


私自身を失っていた。

私は、風呂場の目の前にあったバスタオルを体に巻いて有川が叫ぶところにいった。


『どうしたの?!ありか…わ?』


< 80 / 87 >

この作品をシェア

pagetop