サキヨミ。【BL】
「………………いや、起きにくいだろ」
掠れた声で、彼がそう言った。
見つめた先で、彼の瞼が、唇が動く。
「すでに何回も言うし」
俺が何も言えずにいると、目線でベッドの上を指しながら言う。
追って、彼が水を欲しているのだと気が付いた。
ペットボトルのキャップを外して差し出すと、彼は一気にそれを呷る。
よほど喉が渇いていたのだろう、三分の一程を数秒足らずの内に飲み干し、そしてむせた。
「だ、大丈夫?」
慌てて彼の背中をさする。
「俺に何か言う事は?」
呼吸の落ち着いた彼が唐突に言う。
俺はそれに返すべき言葉を探す。
「つーかさぁ、電話のって、すでに言ってたじゃんか……」
呟くように口にしたそれに、もしやと思い当たる。
「……本当にもう言わない訳?」
続けられた小さな声で、それは確信に変わった。