恋の華が舞う季節
「秦、別れよう? その方が、楽だよ。きっと」


「嫌だ。絶対」


「やっぱり、無理なんだよ。
 こうなる運命だったんだよ」



私の恋はいつも上手くいきそうで、行かない。


平行線。


交われない。



「あの時の言った言葉は、嘘だったのかよ?!」



『私も大好きだよ』



確かに言った。


嘘なんかじゃない。


好き。



「――秦、私ね……やっと見つけた幸せがこんなにも、辛いなんて嫌なんだ。

 秦も、こんな私、忘れてよ」


恐い。


恐い。


私自身が。



胸が痛い。


胸が張り裂ける想いってこういう時の事を、言うんだね……。

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