恋の華が舞う季節
「嘘だろ?」

「嘘じゃない!」


即座に答える。


「どうして……」


「秦は、何も分かってない……。
 だからだよ」


「俺は、お前ナシじゃ、無理なんだ。隣に、居てくれ」



私は制服に大事にしまっていた、指輪を取り出す。


「これは、返すね。

 いつか……私よりも好きになった人に渡してよ……」



幸せな時間なんてなんてあっけないんだろう。



たった何時間前は、あんなに幸せだったのに。



離してしまった手。


貴方の温もりは――もう、感じれない。
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