恋の華が舞う季節
私はまた結局、こっちを選んでしまうんだね。
折角掴んだ幸せを、無に返す。
「結衣!」
思いっきり、後ろから抱きしめる。
「行くな! 行くな」
胸が高鳴る。
まだ、こんなにも好きなのに。
どうして?
私は素直になれないの。
「秦――大丈夫。
きっと、私の事なんか忘れられる。
“こんな事もあったな”て、思い出の1つになれるから――」
「そんなの都合が良すぎるだろ?
結衣は、俺の事、どう思ってるんだ?!
建前や、お世辞じゃなくて、本当の事、教えてくれ!」
――本当の事……
ドクン……
心臓の音が聞こえる。
本当は、まだ……
「嫌いよ。秦って、騙されやすいのね。
秦が本気だから、ちょっとのってあげただけよ」
最低だ、私――!
秦が段々震え出す。
その姿が見ていられなくなって、私は屋上から、逃げるようにして、走り去った。
折角掴んだ幸せを、無に返す。
「結衣!」
思いっきり、後ろから抱きしめる。
「行くな! 行くな」
胸が高鳴る。
まだ、こんなにも好きなのに。
どうして?
私は素直になれないの。
「秦――大丈夫。
きっと、私の事なんか忘れられる。
“こんな事もあったな”て、思い出の1つになれるから――」
「そんなの都合が良すぎるだろ?
結衣は、俺の事、どう思ってるんだ?!
建前や、お世辞じゃなくて、本当の事、教えてくれ!」
――本当の事……
ドクン……
心臓の音が聞こえる。
本当は、まだ……
「嫌いよ。秦って、騙されやすいのね。
秦が本気だから、ちょっとのってあげただけよ」
最低だ、私――!
秦が段々震え出す。
その姿が見ていられなくなって、私は屋上から、逃げるようにして、走り去った。