トビラの向こう側



ある日あいつは俺に宣言した。


『高遠さん、俺、汐里ちゃんが好きです。
告白もしました。
これからはライバルですね』



挑戦的にこっちを見た。


『ライバル…か』


『余裕ですね、俺には無理って思ってます?』


余裕?


余裕なんかねぇよ。


葵がもし記憶を取り戻しても……


俺の所に戻ってくるとは限らないからな…。

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