冷たい彼

麻尋はこんなにかっこよくなかった…。

「…私で、い…の?」

「綺沙樹がいい」

「私…ずっと、ずっと麻尋が好きだった…っ!」

そう言った瞬間、いたのは麻尋の腕の中。
フワリと浮いて麻尋の顔が至近距離にあった。

「ま、まひ「綺沙樹…ずっと泣かせてゴメンな、俺サイテー。でもさぁ、もう泣かせねぇから…」

長かった、麻尋を想い続けてからここまで来るのに何年かかったかな?

それさえも忘れるくらい悲しかった片思いだけど…両思いになって、もう泣かなくていいのよね?

「麻尋…」
「なぁに、綺沙樹」
「一発殴らせてもらうわね?」
「はぁ!?」

これくらいであんたの過去を水に流すんだから許しなさいよね!


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