冷たい彼
『沙彩、起きてるか?』
「皇雅さん…」
『知ってたのか…?杏子のこと…』
電話越しにはいつもより低い声皇雅さん声が聞こえる。
泣きたいのは私だよ…。
「知ってた…って言ったら皇雅さんはどうするの?」
『………』
「答えてよぉ…っ」
私は涙ぐみながら電話に向かって叫んだ。
代わりにされていたのは私なんだよ?
皇雅さんが好きだからって我慢してたけど…何か言ってよ。
「…言ってよっ!もう私はいらないって、杏子のことお母さんに聞いて捜すから私はいらないって…私は代わりだったって言ってよっ!!!」
涙がボロボロと出てきてほほを伝った、もう終わりだね…せっかく今まで我慢したのに…全部…無駄になっちゃった…よぉ…。