冷たい彼
「…沙彩が?」
「そうよ、だから別れて」
皇雅が顔を上げた、その表情は怒りに満ちていた。
でも、怖くなんてないわ、鈴がいるし。
私を敵に回せば優梨を敵に回すことになる、そうなれば松谷組だって黙っちゃいないわ。
「俺がすんなり別れるって言うとでも」
「言わせてあげるわ。それにもう沙彩ちゃんに近づかないっていうのも忘れないで」
「深雨さんには悪いけど無理です」
「あなたがそう言うことで沙彩ちゃんが苦しんでるのよ?」
屋上に来て始めて鈴が口を開いた。
その言葉は皇雅に深く突き刺さったみたい。
「あなたがあの子を苦しめて、傷つけて、泣かせてるの。あなたが変わらない限り、あなたが今のままあの子に会う限り、あの子は傷ついてあなたを嫌いになるわ。そんなこともわからな…」