鬼と天使と少年と、



「雨乱~、マジで今日から高等部生なんかな?俺ら」


「そうですよ。合格通知…飛び級認定書も来てたじゃないですか………………………って、倭草!ネクタイはどうしたんですかっ」


「あー?ンなもんいらねぇだろ。つーかネクタイ絞めてたらだりぃし」



おいおい倭草さん。
そーゆー問題じゃないでしょーに。


只今俺らは雨乱の家で制服&持ち物チェック。雨乱はしっかりしてるからな。一緒にチェックしたら忘れ物の心配ナーシ。



「もうっ、予備のネクタイありますから結んでください」


「無理ムリ。俺ネクタイのしめ方知らねーもん。あ、なんなら雨乱結べよ」


「はぁ……しょうがないですねぇ」



そう言って仕方なしに倭草のネクタイを結んであげる雨乱。

なんかお前ら新婚さんみたいだな。
(ほら、雨乱って女顔だし…)

まぁこれ言ったら怒鳴られるんで死んでも言いませんが。


雨乱がネクタイを結び終わると倭草は学生カバンを掴んでさっさと玄関に向かってしまった。



「あっ、倭草!待ってくださいよー!」


「倭草ー、お前なんか急いでないか?」


「んー、だってなんか高等部生ってワクワクしねぇ?」



いえ全く。

むしろドックンバックンですわ。


なんてツッコミは飲み込んで。

俺らも学生カバンを掴むなり、倭草の後を追って靴を履き、そのまま外へ出た。

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