鬼と天使と少年と、
だけど倭草の口から出だのはトンデモビックリなお答えでしたよ。



「……あ、あいつは昔、俺のことを…………………お、襲ってきたんだ」


…………。


「はい?」


「っ、だから!あいつだけには会うなっつってんだよ!もしあいつに俺の居場所を聞かれたら?もしあいつが俺と佐雄がつるんでるって知ったら?

~~ッ、俺もうお前らと生きていけねぇよ!」



そこまで?!

今の半泣き+顔真っ赤状態の倭草を見たら女子は昇天しかけるかもな。

なんてバカなことを思いつつ倭草に「大丈夫だって」と言って安心させる。



「それより今は高等部生活をエンジョイしようぜ!兄ちゃんにビクビクしてたら身がもたないって、な?」


「でもよぉ……」


「大丈夫ですよ、倭草。私たちがついてるじゃないですか」



雨乱も俺と同様、倭草を励ます。

つか、弟を襲う兄貴をいっぺん見てみたいと思う俺は大層アホなんだろうな。


まぁなんにせよ、倭草になんかありゃ俺達がどうにかすればイイだけのことだし?

なんとかなるって。


そして笑いかける俺と雨乱のおかげで、やっとこさ倭草は魔法学校に足を踏み入れてくれましたとさ。

よかったよかった。




………んだけど、

本当の試練はここからだったりする。

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