鬼と天使と少年と、

もうさっきから急展開すぎてついていけないっつーか何でここに雨乱がいるんだよだとか今までどこにいたんだよだとか。

聞きたいことはたくさんあるけれど。



「うっ、雨乱…!会いたかったよコンニャロウめがああぁっ!」



とりあえず今は感動の再開シーンだy「はい?あなた誰ですか」


………え?



「え、ちょっと……。う、雨乱くん?まっさか俺のこと忘れてるわけじゃ…。は、ははっ。冗談キツいってコレ…」


「だから、あなた誰なんですか」

「……え?」

「初めましてですよ」

「……え、っと。あの…」

「……。」

「……。」

「……。」

「……。」

「……。」

「………。え、マジで?」

「マジです」


ぼかあああーんっ!

佐 雄 ノ 中 デ 何 カ ガ 爆 発 シ タ !


う、う、う、嘘だああぁあっ!

え、だって俺らいつも一緒だったじゃんそうだったじゃん?!え、何これ流行ってんの記憶障害ごっこでも流行ってんの誰か教えてようわあぁあんっ!


ぎゅううっと雨乱に抱きつき、これまでの思い出の数々を熱弁してみるも意味ナシ。

「知りませんよ」の一言で全部蹴られるというアウチな展開。

しかも冷たい視線といういらないオプションつき!アウチ!


俺の知ってる『ほんわかほにゃにゃん』な雨乱は何処(いずこ)に……。


ズズーンと落ち込んでいる俺に、相変わらず冷たい視線を送ってくる雨乱。

少し躊躇ってから、「あの、」と声をかけてきたので、まさかと思い「思い出してくれたっ?!」とお目目キラキラビームを送るも残念。


「いい加減おろしてもいいですか」


そういえば俺は雨乱が引っ張ってくれてるおかげで落下せずにすんでたんだ。

アウチ、忘れてたぜ忘却の友人よ。
ていうかゴメンネ重クテ。
< 186 / 220 >

この作品をシェア

pagetop