鬼と天使と少年と、
「はぁ……やればいいんだろ。やれば」


「頑張れよー、佐雄」

「手を抜いてはいけませんよー」


「はいはい…」



お前らは俺の親か。

既に本来の姿ではなく人の姿に戻った二人に、「どうなっても知らないからな」と注意して俺は的(まと)を見上げた。


ふぅん……。結構いい趣味してるよね。的(まと)に魔力が込めてある。


多分、この的(まと)だけ魔力対策してあるんだろうな。簡単に合格させないように…さ。


でも残念。

フツー顔の俺にとって、魔力だけが取り柄なもんで。



「最大でいかせてもらうよ~。
 …£¢œζψκθ(終結)」



ーガガッッ
ーバキィィイイッ



俺の魔力は見事的(まと)に的中!
な ん だ け ど …



「………。」



や、やっちまったぜ……


的(まと)だけにぶつけるつもりが、的(まと)に俺の魔力が全て吸収されることなく……。

穴、開けちまったよ……。
(※天井に)


「うっわ…」「すごいです…」なんて口々に言っている二人なんだが、その隣で俺は汗ダラッダラ。


あれあれ?まだ春なのにどーしてこんなに汗が出るんでしょー………。

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