鬼と天使と少年と、
倭草はもともと攻撃魔法専門だから、この課題は難なくクリアした。


問題は雨乱。

治癒と防御の魔法しか使えない雨乱に的(まと)を攻撃することが出来るんだろうか。


なんて不安はすぐにぶっ飛んだ。



「хтαуλ(麻酔針)」


ーヒュッ


目に見えない速さで何かが飛んでいったと思えば的(まと)に刺さったソレ。

刺さったと同時に破裂するもんだから
俺の心臓まで破裂寸前だった。

笑えねぇえ…。


どうやら雨乱は麻酔針に魔力を込めたみたいで、的(まと)もその強大パワーに耐えきれず破裂した。

わーすごいすごい。



「これで俺らの魔力検定は終わりっつーことだな。後はお前だけだぜ?佐雄」


「佐雄の最大とはどれくらいなのでしょうか?私も見たことがないので楽しみですっ」


「は、ははっ……プレッシャーかけないで欲しいんだけどな~……」



俺の魔力なんてタカが知れてるって…。あんま期待されてもなぁ……。


苦笑いでポリポリと頬をかく俺に敢えての期待の眼差し。

え、お前らソレわざと?
わざとだよね?

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