アンバートリップ
「まあ、こういうこともあるよ」
そのうち、ちらちら初雪が降り始める。
白い息をほわんと吐きながら、大きな琥珀色の瞳をキラキラさせて珀が笑った。
私は白い息をぽーっと吐いて、大きな溜息をついた。
「珀がそんな風に笑ったら、文句言えなくなるじゃん。いいな~珀は。私にも外人の血が入ってたら、もっと人生楽しかったのに」
「そう?」
否定も肯定もしない珀にちょっぴりがっかりしながら、私は「そう言えばさ」と尋ねた。
「最近、英語全然喋んないじゃん? もしかして、忘れちゃったの?」