あの日、あの夜、プールサイドで


キラが俺の教え子である限り。
俺が教師という立場である限り、この想いは許されたものではないのだろう。


許されないかもしれない
認めてもらえないかもしれない
後ろ指をさされる想いなのかもしれない。



だけど……俺は、彼女に恋したことを悪いことだとは思っていない。誰に認めてもらえなくても、許されなくても構わない。想うことはきっと自由だ。そうだろう??


人を好きになることに綺麗も汚いもない。倫理なんて関係ない。心は誰にも支配されない。


この想いは悪じゃない。
汚い物なんかじゃ決してない。


そう信じているから、言えた。



「好きだよ、真彩。」



目を逸らさずに俺はまっすぐに彼女に愛をぶつける。だけど彼女は小さな嗚咽を上げながら泣くだけで、何の反応も示さない。



スッと視線をそらして俯く彼女を見て、心が痛む。



真彩はキラの彼女…だからな。
義理堅い真彩はキラに悪い、とか、コウちゃんを裏切った、とかくだらないこと考えてるんだろう。


俺は彼女から手を離すと


「お茶、入れるよ。」

「…え??」

「そんな顔じゃ帰れないだろ??俺の淹れたお茶じゃイヤかもしんないけど、一口飲んで、落ち着いたら帰んな??」



そう言って、キッチンへと足を進めた。






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