家庭*恋*師
「人のことはいいから、自分の名前見つけろ」
「はいはい」

テストの手応えは、確かにあった。南を膝の上に乗せ続けた勉強は、彼女をからかうのがあまりに楽しくて自分にしては真面目にした方だ。

だが、去年の中間と期末を受けなかった自分には、その手応えが一年中勉強をしていた同級生達に比べどれほどの順位になるかどうかはわからない。なので、南の名前を探した時とは反対方向の、最下位の方から自分の名前を探す。

500から300位ほどまでは比較的早く目を走らせ、そこまで低くなかったことに安堵する。

そして続く、200から100位にも名前がなかったことに少し驚きながら、目的だった50位にたどり着いてもも、自分の名前はない。

何かの間違いだ、名前が載っていないのかもしれないとさえ思いながら、順位を辿り、やっと見つけた、出雲皓太朗の文字。

だが、その隣にある点数と順位に目を疑う。

「…っ!!出雲ッ!!」

そして、南の声で、それが現実だと物語っていた。

出雲皓太朗
215点
34位

目標の50位を、ゆうに上回る結果だった。
< 26 / 35 >

この作品をシェア

pagetop