ラブランディング
恋に落ちた後の話
仕事のデキる男
「あー、男欲しいなーッ」
会社の食堂で言うには少し高いボリュームとコアな内容に、私は思わず口に含んでいたラーメンを吹き出してしまう。「汚いー!」という同期の抗議の声にも負けず、一緒にランチを楽しんでいた他の四人に睨みをきかせてやった。
「ここで言う?」
「だって本とだもん!また合コンすっかなー」
「奈月も来るでしょ?」
「あー、ダメダメ。この子はほら、奥様だから」
「えっ、麻田先輩、結婚されてたんですか!?」
つい先週入社したばかりの同じ課のかわいい後輩が声を上げ、パチッ、と手を驚きで合わせた。あーあ、もうすっかり信じちゃってるじゃない…私は急いで否定の意で手を振る。
「違う違う!ちょっと、誤解招くよーなこと言わないでよ!」
「だってそーでしょ」
悪ノリがすぎる彼女、私の親友の長谷杏(ながたに あんず)を見て、もう一人の同僚までもが苦笑い。隣に座っている新人に顔を向け説明を始めてくれた。
「池上さん、営業の藍原さんって知らない?」
「あ、知ってます!新入社員のオリエンテーションしてくださった方ですよね?すごく気さくでかっこいいって皆と騒いでたんですよ!」
「私達の時も、藍原さんがオリエンテーションしてくれたのよね。彼と奈月ちゃん、その時からずっと付き合ってるの。今では社内で公認のカップルで、『夫婦』って呼ばれてるくらい」
会社の食堂で言うには少し高いボリュームとコアな内容に、私は思わず口に含んでいたラーメンを吹き出してしまう。「汚いー!」という同期の抗議の声にも負けず、一緒にランチを楽しんでいた他の四人に睨みをきかせてやった。
「ここで言う?」
「だって本とだもん!また合コンすっかなー」
「奈月も来るでしょ?」
「あー、ダメダメ。この子はほら、奥様だから」
「えっ、麻田先輩、結婚されてたんですか!?」
つい先週入社したばかりの同じ課のかわいい後輩が声を上げ、パチッ、と手を驚きで合わせた。あーあ、もうすっかり信じちゃってるじゃない…私は急いで否定の意で手を振る。
「違う違う!ちょっと、誤解招くよーなこと言わないでよ!」
「だってそーでしょ」
悪ノリがすぎる彼女、私の親友の長谷杏(ながたに あんず)を見て、もう一人の同僚までもが苦笑い。隣に座っている新人に顔を向け説明を始めてくれた。
「池上さん、営業の藍原さんって知らない?」
「あ、知ってます!新入社員のオリエンテーションしてくださった方ですよね?すごく気さくでかっこいいって皆と騒いでたんですよ!」
「私達の時も、藍原さんがオリエンテーションしてくれたのよね。彼と奈月ちゃん、その時からずっと付き合ってるの。今では社内で公認のカップルで、『夫婦』って呼ばれてるくらい」
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