小さな主人と二人の従者
 エヴァンは制服を着ているのだが、さっきまでは王子様の格好をしていて、生徒達に写真を撮られていたようだ。

「勝ったらドリームカードをもらうことができるのに、なぜかみんな僕にくれて魔法を発動させるんだ」

 これでは敗者に渡すカードと説明をやり直さなくてはならない。

「ジュリアもやろうよ」

 呪文学で同じアンナがジュリアを誘う。ジュリアも興味があるので、生徒達の輪の中へ入った。コインを渡されて、アンナと勝負をすると、ジュリアが負けた。

「負けちゃった」
「私の勝ち!」

 アンナはジャンプしながら、ピースもした。

「はい、ドリームカード」
「ありがとう」

 アンナがカードを使うと、パティシエになった。

「似合っているよ」

 だけど、アンナはどこか物足りなさを感じていた。

「そうだ!ジュリアも使ってよ!はい、カード!」
「だから、ルールが違うよ」
「細かいところは気にしちゃだめよ!」

 ジュリアも気紛れカードを使って女医になると、アンナは喜んだ。

「わあ!ジュリア、似合っている!かっこいい!」

 他の生徒達がジュリアとアンナの写真撮影を始めた。シャッターを切る音が鳴り止まない。
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