小さな主人と二人の従者
 ギャレットを横目で見ると、数多くのバラを見ている。
 ジュリアはそっと口を開いて、気になっていたことを言った。

「ギャレット、私達は子どもの頃に出会ったことがあったのよね?」
「そうだよ」
「オッドアイだったよね?」

 ギャレットは自分の目元を指先で触れた。

「それも思い出したんだ。だけど、あれは魔法で瞳の色を変えていただけ」
「こっちが本当の瞳なのね?」
「そうだよ。今からオッドアイに変えようか?」
「ううん、今のままでいい」

 ジュリアと初めて会ったとき、ほんの一時だけ雪が降った。真っ白な雪に心を奪われた瞬間だった。
 それ以来、雪が降る度ギャレットはジュリアを思い出して、彼女を雪と重ね合わせるようになったので、ギャレットにとって特別なのだ。
 次に話してくれたのはジュリアの記憶を取り戻す協力をしながら、内心ではそれを拒んでいたこと。

「記憶を取り戻したのかどうかわからないけれど、ずっと前に君の友達に呪いをかけたことがあるんだ。ジュリア嬢に好意があると思って」
「その相手は誰なの?」
「エヴァン。二人は出身地が同じで仲がいいでしょ?仲良くしている二人を見ていたら腹が立ったんだ」

 いつだったか、夢の中のジュリアがギャレットに怒っていたのはそのせいだったんだ。
 改めてそのことを聞かされて、ジュリアは言葉を失った。

「それに加えてウィルとエリーがあんなことになって強いショックを受けて、記憶喪失になるまでずっとジュリア嬢の精神状態が不安定になったんだよね」
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