小さな主人と二人の従者
 ギャレットがかけた呪いはジュリアに近づく度に怪我をする呪い。
 だけど、前日にエヴァンが呪いをかけられる夢をカーシーが見ていたので、そのことを教えられたエヴァンはそのときに実験室で一時的にどんな呪いもかからない魔法薬を作って飲んでいたため、ギャレットの呪いは失敗に終わった。
 エヴァンに呪いをかけたことにジュリアはギャレットを激しく責めて、勝負まで持ちかけた。

「俺と勝負する前に君が勝てば、二度と自分の大切な者達にひどいことをしないようにと言った。だけど、結果は俺の勝ち。負けたことでさらに君は自信を失い、不安と恐怖が倍増したんだ」
「ウィルお兄ちゃんとエリーが大変なことになっていたから、私は自分を責めることしかできなかったのね」
 
 ジュリアの力は弱い。
 無力で何をしても無駄だと思ったから次第に周囲の者達と距離を置くようにして、ひたすら自分を責め続けた。

「エヴァンは元気をなくしていくジュリア嬢を見ていられなくなって、その記憶を消したんだ。だけどーー」

 エヴァンはウィルとエリーのことまで知らなかった。
 記憶を消したらジュリアは元気になると考えていたのに、そうはならなかったから、かなり驚いていたようだった。

「ジュリア嬢はそれでも二人を助けることを諦めなかった。自分一人で訓練をしながら力をつけて、誰にも言わないでこの屋敷へ来た」
「その日に私は記憶喪失になった」
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