小さな主人と二人の従者
洋菓子
 大荷物を抱えて家に着くなり、ギャレットは台所の椅子に座った。
 ギャレットとケネスの服をたくさん買うのかと思ったら、二、三着しか買わなかった。

「楽しかったね、ジュリア嬢」
「ほとんどギャレットの買い物のような気がするのは気のせいかな?」
「お前、もう少し考えて行動しろよ」
「ちゃんと考えたじゃない」

 ケネスは荷物を片づけながらギャレットを注意するものの、彼はケーキが入っている箱を見て顔を輝かせていて、話を聞いていない。

「もう少ししたら学校か・・・・・・」

 二人は学校に通っていたことに驚いて、ジュリアは立ち上がった。

「学校?どこの学校?」
「メリル魔法学校に通っている。それはジュリア様だって同じだろ?」
「嘘・・・・・・」

 ジュリアは言葉を失った。
 ジュリア自身、学校へ通っていることを忘れていて、何も言えなかった。

「もしかしてそれも記憶がない?」
「ない。どうしよう・・・・・・」

 ジュリアは頷いてから、自分の部屋の洋服ダンスの中を見に行き、見慣れない服を発見した。それから台所にいる二人にそれを見せた。
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