小さな主人と二人の従者
 ジュリアがいる場所は大広間。いつもと変わったところはない。
 だけど、ミラベルが心配そうな顔で隣に座っていた。

「ジュリア」
「何?」

 自分の声の低さとか細い声に言葉を失った。

「たったこれだけでいいの?」
「これ以上食べられないから・・・・・・」

 ミラベルは視線をジュリアからテーブルに向けた。目の前にあるのはミネストローネだけだった。

 ジュリアの様子が明らかに変。いつもだったら三品以上食べるはずなのに。
 体調不良?ううん、それは違う。
 もっと違うことで苦しんでいるように見える。
 どうしてこんなに苦しんでいるのか理解できなかった。

「もう少しだけ食べよう?私のポテトを取って?」

 ポテトが入っている小皿をジュリアの前に押しても、唸り声を上げるだけで食べようとはしなかった。

「ゼリーは?これだったらそんなに味が濃くないから食べやすいわよ」
「いらない」
「ジュリア・・・・・・」
「お腹は空いていないの」
「そんなことを言わないで」
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