小さな主人と二人の従者
 学校へ行くようになって、何人か記憶にある生徒はいる。
 スムーズに会話ができるけれど、少しでも学校に関する話題になってしまうと、会話が噛み合わなかったり、ついて行くことができないなどと問題になる。

「それからギャレットさんも話しかけていたわ」
「ギャレットも?」

 前にジュリアと会話したことが何度かあることを聞いていたから、ギャレットも心配してくれていたようだ。
 目の前の料理を食べ終え、店員を呼んでレモンティーを注文した。

「お腹が膨らんだ。もう食べられない」
「ジュリアったら」

 お腹をさすっていると、ミラベルは口元に指を添えて笑っている。

「デザートを食べられると思っていたのに・・・・・・」

 ジュリアのお腹に余裕があれば、アイスクリームかケーキを注文しようとしていた。

「私もよ。でも、お腹がいっぱいになったわね」
「この後はどこか行きたいところはある?」
< 75 / 269 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop