小さな主人と二人の従者
「うーん、せっかくだからもう少しお喋りしない?」
「そうだね」

 レモンティーを一口飲みながら窓の外を眺めると、小鳥達が気持ち良さそうに空を飛んでいる。

「最近、家で何をしているの?」
「家では勉強とか、いろいろよ」
「力になれることがあったら言ってね?」
「大丈夫だよ。何も大変なことをしていないから」
「どんなことでも一人でやろうとするところはジュリアの悪い癖よ」

 どうしてそれが悪い癖になるのか理解できず、同じ言葉を繰り返した。

「一人でやらないといけないことはたくさんあるわ。だけど、ジュリアの場合は誰かの力が必要なときでも決して頼ろうとしないじゃない」
「そんなこと・・・・・・」

 そんなことないことを言おうとしても、最後まで言うことができなかった。

「何かを抱えられる重さだって限界はあるのだから、潰れてしまってからでは遅いのだからね?」
「今は本当に大丈夫なの。でも、もしも本当に困ったことがあったら、相談するから」
「それを聞いて安心したわ。仮に私じゃなくても、誰かに相談すること。いいわね?」

 ミラベルにそのことを強く念を押された。
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