桜涙

  翔汰が手招きをしたので私は翔汰に寄り添った。
  

  プルルルル…プルルルル…


  寄り添ったら翔汰のケータイのコールの音が聞こえた。



  そして、少したったら

  
  『もしもし。翔汰?お前が電話なんてどうした?』


  ケータイから聞こえた声は聞き覚えのある声だった。


  この声は淕(リク)かな?


  「珍しくなんかねーよ。それより淕お前に伝言な。」 


   やっぱり淕だった。


  肌は少し日に焼けて茶色っぽくて、髪の毛はいつどこでも寝癖がついている。


  淕とは同じ班で翔汰から紹介してもらった友達だった。


  『それよりめご知らないか?さっきはぐれて…ってお前が知る訳ないなすまん。で、なんだ?』


  「めごは俺が連れさらった。だからそこのところよろしく-。」


  『は!?何言ってんだよ!?』


  「何ってそのまんまだけど?じゃあな。」


  『ちょっとま…』


  ツー…ツー…ツー…

  


  
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