桜涙
「じゃあ、私は皮をむき終わったのでこれで」
「ありがとうございます。」
私は台所を去った。
台所の手前の扉を開けて居間に行った。
居間には珍しく誰もいなかった。
「はぁ…」
溜め息が自然と出てくる。
呆れているとか疲れたからではない…
でも、何故だか分からない…
畳の上に少し横になった。
目の前に会った畳には醤油のシミが付いていた。
仰向けになると天井が高く感じた…
いつもはこんな所で横にならないから知らないことが意外にあった。
天井を見ていたら瞼がだんだん重くなってきた。