ツラの皮
真っ赤になっているだろう顔でワタワタしているだけの私を見て高遠は呆れたように鼻で笑った。
「思考同様、顔にだだ漏れなんだよ、単純バカ。」
本日至上最高の沸騰。
思考停止。
高遠は人のグラスをくいっと煽った。
その唇が酷薄な笑みを刻む。
「内面重視が聞いて呆れる。オマエ、麻生の何を知ってんだ。結局アイツのツラなんだろーが。」
……………。
こんな時になんだけど、ニヒルな笑みでグラスを煽る姿が様になる男って、そういないよなぁー。
感心していると、高遠が眉間に皺を寄せたこれはちょっとイケテナイ顔で睨んできた。
「てめぇ、人の話を素通ししてんな!」