ツラの皮
「き、聞いてるわよ!性格はなんだけど、外見は鑑賞に値するなって、ちょっと確認してただけでしょ。」
「改めんでも口に出してたから分かっとるわ。」
「え!嘘っ!」
慌てて口を押さえるが、後の祭りとはこのことで。
高遠は顔を前に戻し苛ただしげに言った。
「ともかく。どうとでも取り繕える外見なんざどれほどの価値もねぇんだよ。」
化粧一つで見た目を変える女も。
男を容姿でしか見ない女も。
認めない。
そう続けた高遠に反論することは出来たけど、私はしなかった。
ただなんとなく。
なんとなく高遠が傷ついた目をして見えたからかもしれない。