ツラの皮



思わず拳を上げた俺に、麻生が慌てて手を翳す。



「待ってよ。俺は高遠のママじゃないんだよん?

聞かれればちゃんと答える。分からなければ分からないというし、推測なら推測だと一言付け加える。請われれば俺の能力の範囲で与える。

それは俺の主義。

だけど求められてもいないのにいっぱしの男が下した判断にとやかく口を挟むタチじゃない。」




正論を突きつけられて俺は拳を下ろした。




良くも悪くも麻生はマイルールに忠実な男だ。

そのために時に冷徹にもなるが、それは決して道を外したものではない。

友達我意がないと詰るのは俺の勝手な言い掛かりだ。



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