ツラの皮
暫く並んだまま沈黙が続いた。
俺が混ざった卵を見て口を開く覚悟を決めた時、ソレを遮るようにぼそっと隣から謝罪が届いた。
「昼間は言い過ぎた。踏み込みすぎた。…高遠が私の意見を全否定してくれるもんだからついムキになっちゃった、だけ。」
視線を動かすと、鈴は神妙な顔を前に顔を向けたまま。
お盆に載せたグラスの一つを口に当てコッコッと軽快に喉を鳴らして呑んでいた。
って……おい。
それ以上呑むなっての。
だが、呑んだ時にコイツの口から出る言葉には興味がある。
何故って、それが偽らざる本音だから……
というか思考そのまま。
「そりゃ、傷ついて遊び歩く方向へ向かっちゃうのはどうよとかは思うけどー。
けど、高遠はソレくらい傷ついたんだよね。そんで自分なりに割り切ったのよ。
だからさ、私がとやかく言うことじゃなかったんだよね。」
鈴は独り事のように呟いて、そこで眉をくっと顰めた。