ツラの皮
そんなことをツラツラ考えていた折、俺の後ろをお盆に焼酎の水割りのグラスを幾つか乗せた鈴が忙しそうに駆け抜けていく所だった。
「おい」
よびかけに足を止めた鈴はきゅっと口を引き結んだ。
昼間のことをまだ引き摺っているという顔付きだが、俺はソレより別のことが気になって眉を顰めた。
「オマエ一体どんだけ調子に乗って呑まされてんだ。顔がすっげー赤いぞ。」
これ以上呑ませて倒れたらシャレにならん。
とりあえず座れと横を促すと鈴はあからさまにうろたえた様子で「でも」とお盆を見下ろす。
「ほっとけ。そんなもん自分で取りに来る。それに既にみんなベロベロでお酌係が消えたところで誰も非難しねぇよ。」
そういうと鈴はオズオズと隣に落ち着いた。