ツラの皮
それに対し俺の口を吐いた言葉は
「あ、そ。」
同情も完膚無きまでに伴わない一言だけだった。
「あーそ-。ここまで無事辿り着けてヨカッタな。んじゃ、さっさと乗ってさっさと帰れ。」
「ぅ……うん。」
歯切れもわるく俯いた雪乃に、イラッと腹にどす黒い感情が湧く。
「そもそもオマエの行動が迂闊過ぎんだろ。芸能人じゃないにしても、若い女が一人で歩く時間帯じゃねぇ。自業自得だ。」
「高遠……」
俯いたまま何も抗弁してこない雪乃に代わって鈴が「言い過ぎだよ」と言いたげに俺を見上げていて。
その視線が転じた先は、小刻みに震える雪乃の手で……。
薄々とみえてしまう話の終着点に嫌な気分しか湧いてこない。
「あのさ…今日は送ってあげれば?」
「ヤダね。」
案の定のセリフに間髪入れず応えた。