ツラの皮
「ふへっ……!」
いきなり ぐいっと身体を引かれた。
穂積クンに文句を逆巻いていた私は対応しきれずよろめいた。
倒れ―――
なかった。
部長が支えてくれたお陰で、助か…………った!?
塞がれた唇に、パチクリと目を見開く。
塞いでいるのは部長の唇で。
……………………は?
触れただけの唇が退く前に、私は部長を突き飛ばして、反射的にバックを振り上げていた。
「―――――っなにす……」
だけどそれが部長を叩く前に、後ろへ大きく仰け反った。
転ぶ!!
しかし後頭部がコンクリに当たることなく、私の身体は何かにどんっとぶつかった。