ツラの皮



「ふへっ……!」




いきなり ぐいっと身体を引かれた。


穂積クンに文句を逆巻いていた私は対応しきれずよろめいた。


倒れ―――


なかった。



部長が支えてくれたお陰で、助か…………った!?




塞がれた唇に、パチクリと目を見開く。


塞いでいるのは部長の唇で。






……………………は?




触れただけの唇が退く前に、私は部長を突き飛ばして、反射的にバックを振り上げていた。




「―――――っなにす……」





だけどそれが部長を叩く前に、後ろへ大きく仰け反った。


転ぶ!!





しかし後頭部がコンクリに当たることなく、私の身体は何かにどんっとぶつかった。



< 290 / 403 >

この作品をシェア

pagetop