ツラの皮
次から次へと出される酒を煽って、バカな話で大笑い。
麻生さんは話し上手で気は利くし、やっぱりステキ。
穂積クンは相変わらず言動の全てがチンピラだけど。
現場の失敗談で盛り上がっている最中、私はチラリと隣の男へ目をやった。
コンパのあの日から、高遠は穂積クンにイイ仲間と思われたのかマージャン会に呼ばれるようになり、度々顔を合わせている。
相変わらず自己中な男。
こんなに盛り上がってる場で、何一人だけ白けた顔してるんだか……。
というか、まだ私と一言も口きいてませんけど?
「イタッ!」
いきなりカウンターの下の足を蹴られて私は悲鳴を上げた。