蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
なんだか様子がおかしいように感じたけど、松浦はまだ二杯目のハズ。
お酒も強いし、まだ酔うアルコール量じゃない。
「こんな席でアレだけど、ちょっと真面目な話してもいい?」
「うん。いいけど……」
そう返事をしたところで、私とは反対側にいる同期に、松浦が話しかけられる。
話の内容は仕事の話で、こんなミスしたとか、こんな顧客にあたったとかいう笑い話。
私も一緒になって笑ってたけど、途中で松浦にトイレに行ってくると告げて席を立った。
時計を見ると、始まりから1時間40分が過ぎていて、部屋を出る時ちらっと見た課長の席は空っぽになっていた。
帰ったのかな。
でも、もともと飲み会に来ないって定評のある課長が少しの間でも顔を出してくれただけで十分だ。
安部先輩も満足してくれただろうし。