蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


謝ったのは、無理に来てもらったようなものだから、嫌いな飲み会に付き合ってもらってって意味合いだった。
だけど課長は違う意味にとらえたらしくて。

「どういう意味ですか……?」

なんで、ずっと避けてた私とふたりきりだと思ってたのに来たの?
そんな思いで聞いたけど、課長はそれには答えずに続ける。

「俺、すぐ浮かれるから騙しやすかったろ」

困り顔で微笑みながら言う課長に、訳が分からなくて顔をしかめる。
課長を騙した事なんて、四年前も今も、一度もない。

「騙したって……私が課長をですか?」
「吉野も、安部とかその辺のヤツに頼まれて困ってたんだろうけど」
「飲み会の事は、確かに安部先輩に頼まれましたけど……でも、課長を騙してなんていません」

必死に言ったけど、課長は「浮かれて仕事後回しにしてきたのに」と呟いて寂しそうに微笑んで……黙った。

傷ついた顔だ。
なんでそんな顔するの……?

なんで課長が傷つくの――?



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