蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


「笹川専務の持ってきた話だったし、今回の相手は断るとまずいって上から言われて仕方なく会ったけど、まとまらなかったんだよ」
「なんでですか? 課長が断られるなんて事……っ」

課長から断るのはまずいって言われてたなら、縁談がまとまらなかったのは相手方の事情だ。
けど、課長が断られるなんてそんな事ありえない。

外見だって性格だって仕事だって、全部完璧なのにどこが気に入らなかったって言うんだろう。
そんな風に思って思わずムキになると、課長に笑われる。

「優花は大学の頃から俺を買い被ってるからな。
俺にも相手が引くような一面があるって事だよ」
「そんな事……っ」
「正しく言えば、引くような一面をわざと見せつけたんだけど」
「……どういう意味ですか?」

聞くと、課長は意味深な笑みを浮かべる。
その微笑みは、知美が何かを企んでいる時に浮かべる表情に似ていた。


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