蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


それを知美が言うのか、と思いながらも何も言わずに呑み込む。

あ……でも確かに思い当る節がある。
この間大学の時の話を聞いた時、私から告白させるために色々考えてたって言ってたけど。
私はまんまと課長の作戦に嵌って告白したわけだし、課長は知美の言うとおり策士になるのかもしれない。

「繊細な策士だね」

そんな作戦実行するくせに、私を怖がらせないように精一杯気を使ってくれて。
離れていく私を止める事だってできたのに、私を傷つけないように身を引いてくれて。

なんて愛しい策士なんだろう。
私は多分、課長の罠にだったら何度でも自ら望んでかかってしまうと思う。

そう思った事を言葉にしたわけではないのに、知美はわざとらしくため息をついた後、「ベタ惚れね」と笑った。

「大丈夫よ。悠兄もベタ惚れだから。
よかったわね、優花。おめでとう」
「あ……ありがとう」



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