たとえ愛なんてなかったとしても
何か飲み物でも買おうと廊下を歩いてると、透明のカーテンで仕切った喫煙所の方から、特徴的な笑い声が聞こえてきた。


男にしては少し高めの鼻にかかったような、ってあれは聞き間違えるはずもない。
うちのメンバーの声だ。


あいつ、煙草吸うんだったか?
一度も吸っているところを見たことがないので不審に思って、とりあえず声のする方に近づくと。

プロデューサーの誰やら(男)のひざの上に乗って楽しそうに話す英俊(男)。


何やってるんだ、英俊(男)!

そうだった、あの四人にも困ったものだけど、ここにもっと問題人物がいたんだ。


ミヒが俊輔のひざの上に乗ってるのも見苦しかったけど、まだ理解はできる。

しかし、こっちは見苦しい上に理解もできない。そんなおっさんのひざの上に乗って、何が楽しいんだ。


まさか、性接待とかやってるんじゃ......。
さっきのキャシーたちの会話を思い出し、とんでもないことまで頭をよぎる。


この業界、異性だけじゃなく両方イケるっていう人も多いし、完全にソッチの気がある人も意外といるからな。
< 361 / 559 >

この作品をシェア

pagetop