たとえ愛なんてなかったとしても
知りたくない気もするが、聞かないでいるのも気分が悪いので、いいから早く話せと先を促すと、ようやく話し始めるキャシー。



「愛美ってタレントいるじゃない?
私も知り合いなんだけど、アンタの元カノ?」


「付き合ってはないけど、知り合いだな。それで、愛美がどうかしたか?」



愛美とは、デビューしたての頃に一時期は付き合う一歩手前までいっていたけど。

盛り上がっていたのは俺だけだったみたいで、あっさりと他の男にいかれたという苦い思い出のある女だ。


なぜか最近になってまた連絡がくるようになって、当然俺はいまさらそんな気もないのであまり連絡も返さずにいた。

しばらくしたら、連絡もこなくなったので、すっかり忘れていたけど......。


どうやらキャシーもやつとつながりがあるみたいだ。

  

「うん、あまりもアンタのことしつこく聞くものだから、面倒になって言っちゃったの。

引き下がらせようと思っただけなのに、まさかあそこまでするとは思わなくて」 


「何を......?」



キャシーが何を言ったのか分からないが、それで愛美が引き下がったのなら、むしろ俺としてはありがたい。

特に謝る必要もないように思えるが。

しかし、何かやらかしたのだろうか。
どうにも歯切れの悪い言い方だ。


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