たとえ愛なんてなかったとしても
今のグループにも、歌手という仕事にさえ、愛情も憎悪もない。


全て成功と金を稼ぐための手段だ。


楽して稼げたら、それに越したことはないけれど、成功するためには並々ならぬ努力と運が必要で。


求められたことにできないなどと言っていたら、勝ち抜いていけないんだ。


嘘をついてでも、自分がどれだけ優れた人間かアピールしなければ。


面子は様々な意味があるが、俺が一番強く認識しているのは、成功するために、生き残るために必要なものということだ。


俺は日本人じゃない。
謙遜も奥ゆかしさも美徳じゃない。


いかに図太く他者へ自分をアピールできるかが、俺の美徳だ。


いつだって俺は自分が否定されたら、瞬時に反論を考える。


面子を守るための嘘も騙し合いも、最終的に勝てば全て正義だろう？


たとえ正しかったとしても、敗者はいつだって悪だ。


成功するために、勝ちにいくために、あさってにレコーディングを控えた新曲の練習をすることにしよう。


今までの相反合は明るく前向きな曲が多かったが、今回は全く違うダークなイメージの曲。


しかし、俺は今までの曲の中で、今回の曲が一番イメージに合っている気がして気に入っている。


良い気分でレコーディングをすることができそうだ......。
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