たとえ愛なんてなかったとしても
「良かったな、ミヒ」



呆然とマネージャーの車を目で見送っていたら、イヤミのない顔で俊輔さんに笑いかけられた。

利用していただけと言われても仕方ないのに、それでもこんな私に優しくしてくれて、いい人すぎて申し訳ない。



「あ、俊輔さん......。
ごめんね、今までたくさん迷惑かけたのにこんな......。
やっぱり私、エリックさんが好きなの、大好きなの」


「いいよ、知ってたから。
怒ってない。

俺だってミヒにはたくさん助けられたから、お互いさまだ」


「うん......。
あの、私がこんなこと言う資格ないと思うけど、俊輔さんも本当に好きな人のところにいってね。

今までは私が引き止めてたけど、もう自由だから」



本当はキャシーのところにいきたかっただろうに、私が縛って彼を苦しめてしまった。

キャシーがどうするかは分からなかったけど、もう自由になってとキャシーの方を一瞬見て、そう告げる。



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