Second Secret
「いってえ...」

少し笑いながら、引っ叩かれた頬をさすっているその人。

その姿でさえ、何だか腹が立って。


「最っ低!」


思い切りそう吐き捨てて、その場から走って逃げた。

追いかけてきたら、絶対に追いつかれるよな、なんて思ったけど。

さすがにそこまではなくてよかった。


しばらく走って、体力が尽きて立ち止まって呼吸を整える。

私はまた、あの人に振り回されるのか。

頭の中をさっきのキスシーンが巡ってることに、イライラした。


早く忘れよう、そうだ、忘れたらいい。

こんな偶然はきっともう二度とないだろうから。

だからきっともう会わないだろうから。


何も、なかったことにしよう。
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