Second Secret
仕事を終えて、重い足取りで家に帰る。

玄関の前で軽く深呼吸をして、ドアノブを握って、もう一度深呼吸。


きっと先生は開口一番に、佐伯くんのことを言ってくるだろうから。

言葉を用意しておかなければならない。

先生を言い負かす言葉を。


頭の中を整理して部屋に入ると、先生はちらっとこっちを見て、また視線を元に戻す。

どうやら何か本を読んでるらしい。


「何読んでるんですか?」

「例の短編のやつの、他の作家の今までの本」


なんとまあ勉強熱心な。

オムニバス本として出されるから、他の作家さんの小説がいくつか入った一冊になるんだけれど。

先生は今までこれを嫌がってたせいで今回が初めてだから、先生がどんな行動に出るのかわからなかったけど。


まさかこんな熱心だとは。
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