子猫の秘密。(仮)

カチャカチャ。

「ん…」

そんな物音で俺は目を覚ました。

ふと、昨晩のことを思い出しベッドをみると…

「あれ、いないし。」

ソファーから起き上がり、キッチンの方をみると…

そこにはダボダボのYシャツを一枚だけ身に付けた少女がたっていた。

「なにしてるんだ?…」

無愛想な口調で少女に話しかけると少女の肩がビクッと揺れる。

「そんな怯えるな、なにもしない…」

オレは少女に近づき頭を撫でようと手を少しあげると、

───ばっ

と少女はしゃがみ小さくなる。

殴られると思ったのか、頭を手でおおっている。

────ぎゅっ

オレはその様子を見て、立て膝にして少女を優しく抱きしめた。

少女の体は小刻みに震えていて、怯えているのがすごく伝わってくる。

「大丈夫。」

いつものぶっきらぼうな喋り方ではなく、今までにないくらい優しい声でそう少女の耳元で囁いた。

…すると少女の震えは少しずつ止まっていった。

「とりあえず……

熱はかれ。」

その言葉に“え?”というように首をコテンと傾げた。

───//////

やべぇー…
その仕草はオレの理性が…(ry

っとまぁそれは我慢して…
俺は少女に体温計を渡し、名前を聞いた。

それを聞いた少女は辺りを見回し立ち上がると近くのテーブルの上にあった紙にサラサラと紙と一緒にあったペンで書き始めた。

その行動にオレは首を傾げる。

少女は何かを書き終えて、その紙をオレに渡してきた。

その紙には

“私の名前は
 筑紫乃瑠撫(ツクシノ ルナ)
 言葉がはなせません。”

俺はその紙を見て、数秒固まった。

ジーーーーっと瑠撫を見つめて、

「…じゃぁ瑠撫。
君は帰る場所があるのか?」

そのオレの質問に瑠撫の肩がビクッとゆれる。

その反応は
“はいそうです”
とでも返事をしているといってもいいだろう。

「瑠撫?…オレにしてほしいことはあるか?」

…会社では冷酷社長なんて言われている。
ていうか元々無口で口数が少なく、目が少しつり目なためそう思われてる。

(まぁ、人と話したりするのはあまり好まないけど。いや…ただたんに苦手なのだ。)

─────が
しかしだ。

今の俺は瑠撫に自分でもびっくりするくらいすっごく優しく接している。
なぜか、この少女瑠撫が怯える姿をみるとたまらなく抱きしめたくなる。

この気持ちはなんだ?
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