蒼碧
――…
遙お兄様が連れてきてくれたお店は、相変わらず品が良く、落ち着くお店だった。
静かに2人で和やかな食事をする。
「お兄様、おいしいです」
「そうか、よかった。安芸の笑顔を見ると、とても安心するよ」
「私も、お兄様が無事に帰ってきてくださって嬉しい」
「早くこっちに落ち着きたいよ」
「また、戻られるんですか?」
「あぁ、でも、あと数年で必ず戻ってくる。そしたら、あの家を出よう、安芸」
「………」
私は、静かにフォークを置いた。