愛言葉
帰途に着きながらも、その足取りは普通の人のものより軽いことだけは確か。
薄紫が広がる空にオレンジが少し。
視線を空に移すと、一番星が輝いていた。
もう少しすればあたりは一面満天の星空が広がる。
この交差点を曲がれば、もうすぐ。
自宅が見えてきて、心躍る。
少し駆け足になってポストまで駆け寄る。
ガタッと音を立てて開ければ、仲には布に包まれた1冊の本。
それを大切に抱えて、玄関の鍵を開ける。
誰も居ないリビングに明かりを灯し、その布から出てきたのは、
[星に願いを]と言うタイトルの本。
さっき星が気になっていた私を見抜いたかのようなタイトルに微笑む。
いつの間にか習慣のようになった藤野さんがポストに入れておいてくれる本。
毎晩読んで、それを翌朝藤野さんの家のポストに返す。
と、なぞの関係がもうかなり続く。
これはもう楽に百夜超えているのではないだろうか。