愛言葉
『えー、雫ちゃんったらいつになったら俺とデートしてくれるわけ?』
いやはや、あなたとデートする気なんて甚だありません。
と、一言かませたらどんなに楽だろうといつも思う。
「私、今日寄るところがあるので。」
どうにかお茶を濁し濁し答えるのはもう限界か?
『ふーん、それって男んところ?』
そのあからさまな表現がどうにもこうにもいけ好かない。
「いえ。お先に失礼します。」
会釈でごまかし、その場を後にする。
堂上先輩は私がここに配属された新人の頃のお世話係様だ。
その頃から、あからさまな常套句が過ぎた人だった。
顔は整っていて、仕事もできる。
となれば当然、職場の女性にはしょっちゅう好意を寄せられている。
私なんかを何でからかうのかいまいち掴めない。